心の中へ…冒険の旅 *本当の勇気、強さ、やさしさについて考えるきっかけを与えてくれる本です。
今まで、大人向けのいじめの本は、たくさんありました。
でも、肝心なのは、子ども自身がいじめについて考え、解決していくこと。 そう考えた作者は、平成6年11月にいじめを苦に自殺をした大河内清輝君のご両親への取材をもとに、子どもたちがみんなでいじめについて考えるきっかけに なれば、と本を書きました。
著者:三浦 尚城
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書籍情報
- 著者:三浦 尚城
- 協力:大河内 祥晴、大河内 有子
- 発行所:株式会社 心力舎
- 初版発行:1999年2月25日
目次
- はじめに
- 清輝君のお父さんとの出会い
- 大河内清輝君の遺書
- やさしさと勇気
- 清輝君のお父さんから
- いじめている子どもへ
- 清輝君のお母さんの手紙
- 友だち
- 逃げておいで
- あとがき
発行の経緯
この本は東京品川区にある浜川中学校という公立の中学校のPTAで最初は作られたものでした。
その話が口コミで広がり内容がすばらしいとNHK教育テレビや朝日新聞、日本教育新聞でとりあげられたことがきっかけとなり、一人でも多くの子どもたちに読んでもらいたいと思い、出版しました。
内容紹介
『心の中へ…冒険の旅』は、平成6年11月27日 愛知県西尾市小島町という小さな町でおきた、1人の中学生(大河内清輝君)の自殺を知った作者が、清輝君のお父さんに会い、話をうかがいにいくところから始まります。
原文そのままの 清輝君の遺書、清輝君のお父さん、お母さんから預かった手紙やメッセージを、作者の感じたこと、伝えたいことをおりまぜて、わかりやすいことばで書かれています。
本の中から一部をご紹介しましょう。
■ 大河内清輝君の遺書
いつも4人の人(名前が出せなくてスミマせん)にお金をとられていました。
そして、今日、もっていくお金がどうしてもみつからなかったし、これから生きていても……。
だから……。 また、みんなといっしょに幸せに、くらしたいです。……
■ 清輝君のお母さんの手紙
子供達よ、“いじめ”という言葉を、もっと簡単にいうならば、人に対して言ってはいけない言葉を言い、してはいけない事をするという事なのです。
自分はいじめていないと思っていれば、それはやっている方は「いじめではない。」と言い、やられている方は「いや、いじめだ。」と言う。
そうではないのです。まずは、自分に置きかえて、やられたら嫌だなと思ったら、それはしてはいけない事=いじめなのです。
■ 清輝君のお父さんの手紙
清輝が何を思っていたか…
僕にも弱い所があった。だからそれをいうのは恥ずかしい。お父さんお母さんに言っても本当に助けて、守ってくれるだろうか。
言ったらクラスの子や先生はどう思うだろうか…そんな事をいろいろと私は考えています。
■ 逃げておいで
もしこの本を読んで、考えて、そして誰かに話して、それでも耐えられない、学校へはいきたくない、生きていたくないと思った人がいたら、死ぬ前に一度おじさんの所へ逃げてこないか。逃げるというのはひきょうなことではありません。生命を守るためには必要なことなんです。
決して恥ずかしいことではありません。生命を捨てることの方が、ずっと恥ずかしい行為です。
もし、みんなから連絡が来たら、おじさんは「はやくおいで」「よく来たね」と言って、あなたの話を一晩かかって聞くでしょう。
もし、逃げてきたくなったら、いつもおじさんがいる下記へ連絡して下さい。